最終更新日:2020年11月8日

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ベンチマーク、インデックス、パッシブ、アクティブ、スマートベータ、それぞれの違いと意味を理解する。

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インデックス、パッシブ、アクティブ、スマートベータ、ベンチマーク、ETF投資を実践する人ならば普段何気なく使っている言葉ですが、その意味自体を曖昧なまま終わらせてる人は案外多いかと思います。

そこで今回はそれぞれの意味と違いを改めて整理し、投資におけるスマートベータの有効性について検証してみました。

それぞれの意味の違いは?

インデックスファンドとアクティブファンドは証券取引所に上場しているか否かで、投資信託とETF(上場投資信託)に分類されます。また、その組成方法に関しても両者は大きくことなりますが、ここでは割愛させて頂きます。基本的な構造としては、ある指数に連動した成果を目指すならETF、ファンドマネージャーの裁量によりアクティブ運用の投資信託を選択するのが一般的です。後述しますが、現在の日本市場にはアクティブ型のETFは上場しておらず、アクティブ運用のETFを購入したいならば、アメリカETFに限られます。しかし、現時点では日本の個人投資家にはあまり、普及しておらず、逆を言えば、今後の成長に期待と言ったところでしょうか。

1.ベンチマーク

ベンチマークの日本語訳は「判断や判定のための基準・尺度」です。ベンチマークとは、投資信託やETFが運用の目安としている指数を言います。つまり、日経平均株価連動型ETFのベンチマークは日経平均株価。TOPIX連動型ETFのベンチマークはTOPIX、S&P500連動型のETFのベンチマークはS&P500となるわけです。

2.インデックス

インデックスの日本語訳は指数です。つまり、インデックスファンドと言うのは、指数に連動する商品の事を指します。では、このインデックスファンドの指数は何を基準としているの?これと繋がるのがベンチマークです。例えば、現在の日本で最も純資産の多いETFは、TOPIX連動型上場投資信託【1306】になります。これを先ほどの言葉に当てはめると、TOPIX連動型上場投資信託は、TOPIXをベンチマークとするインデックスファンドという事になります。

3.アクティブ

現在の日本では、アクティブ運用によるETFは認められておらず、アクティブ運用の商品が欲しいと思ったら、ETFではなく投資信託を購入する必要があります。

インデックスファンドとアクティブファンドの決定的な違いは、インデクッスファンドが運用の目安となるベンチマークを定めているのに対し、アクティブファンドはファンドマネージャーによる裁量や運用方針により、ベンチマーク(市場平均)を上回るリターンを目指している点にあります。

4.パッシブ

パッシブの日本語訳は受動的です。インデックスファンドは目標となる指数(ベンチマーク)を目指した運用をしていると言いました。アクティブが市場平均を超えるリターンを目指しているのに対し、インデックスファンドでは市場平均を狙いに行きます。市場平均を狙う運用=受動的(パッシブ運用)、言い換えれば、インデックスファンドによるパッシブ運用となるわけです。

5.スマートベータ

インデックス運用の代表的なETFと言えば、S&P500やTOPIXをベンチマークとしたETFです。スマートベータETFは従来のベンチマークである時価総額に代表される市場平均以外の指数を設定し、それに連動するように組成された商品を言います。

スマートベータETFが登場する前は、市場平均をインデックスとするETF以外に投資をしようと思ったら、アクティブファンド(投資信託)に頼らざるを得ませんでした。しかし、御存じのように、ETFと違いアクティブファンドは手数料が高く、なおかつ多くのアクティブファンドが市場平均を上回れないという事実があります。

これを考えればスマートベータETFは我々個人投資家にとって、非常に有効な投資先の1つであると言えるわけです。

スマートベータのスマートは賢い、ベータは市場平均を表しています(S&P500など)。スマートベータETFにおいて、その指数を構成する基準をファクター(要素)と呼んでいます。このことから、スマートベータ運用はファクトー戦略とも呼ばれています。

スマートベータ運用においては、スマートベータ指数それぞれにファクターを定め、ルール化することによって組入銘柄の選定を行っています。

代表的なファクターは以下の通り。

バリュー:PBR(株価純資産倍率)、PER(株価収益率)等の指標から銘柄を選定

小型株:時価総額を基準に銘柄を選定

モメンタム:直近のパフォーマンスが優れている銘柄への投資

低ボラティリティ:リターンのボラティリティが低い株式への投資

収益性:ROE(株主資本利益率)等の指標から収益性を考慮し銘柄を選定する

高配当:銘柄組入れの基準を高配当にし、選定を行う

上記を基準とし、スマートベータ指数を組成し、その指数と連動する値動きを目指すのがスマートベータ運用によるETFなのです。

では、スマートベータ運用はアクティブとインデクッスのどちらに分類されるのか。また、時価総額を主とする市場平均ではなく、あえてスマートベータ運用することのメリットはどこにあるのか。これらについて検証していきます。

時価総額型ETFの問題点

現在、あらゆるETFの中で最も純資産があるのはS&P500種連動型のETFです。

ETF純資産ランキング

  1. SPDR S&P500 ETF (SPY):21.7兆円
  2. iシェアーズ・コア S&P 500 ETF (IVV):8.7兆円
  3. バンガード・トータル・ストックマーケット ETF (VTI):7.1兆円
  4. iシェアーズ MSCI EAFE ETF (EFA):6.6兆円
  5. バンガード・S&P 500 ETF (VOO):5.6兆円
  6. TOPIX 連動型上場投資信託 (1306):5.4兆円

6位までを見ても、その大半はステートストリート、ブラックロック、バンガード各社のS&P500連動ETFが占めている事が分かります。日本の株価指数TOPIXの純資産は5.4兆円で、S&P500のETFには及びませんが、かなりの資産規模を誇っています。

時価総額をベンチマークとするETFに投資をすることのメリット

TOPIX連動型ETFは例外として、個人投資家が長期投資をするならばインデックス投資が最良の選択肢。具体的にはS&P500に連動するETFを買い増しし、後は放置。アメリカ市場は右肩上がりだから、目先の暴落は仕方ないとしても、超長期で見れば必ず、リターンはプラスになる。

下手に個別銘柄でポートフォリオを組んでも市場平均には勝てない。下手な売買はせず、S&P500のETFを買うだけで良い。

過去の歴史を見る限り、この理論は正しいです。過去は過去、未来は未来。相場における過去が未来にも通じるとは限りません。しかし、個人投資家が取れる最良の選択肢であることに間違いはありません。

また、S&P500をベンチマークとしたETFは、各社凌ぎを削っており、信託報酬が限りなく低く設定されています。特にバンガードとブラックロックにおいては、両社0.04%と良心的な価格設定になっています。100万円の投資で400円ですから、ほぼ無視できるコストになります。

S&P500は単なる市場平均ではなく、定期的な銘柄の入れ替えが行われており、ある意味新鮮味が保たれた指数です。個人投資家自らがポートフォリオの入れ替えを行うのは、税金、手数料、売却損益等々の面からしても様々なデメリットが存在します。

ETFはこれを自動でやってくれるのですから、個人投資家にはメリットばかりなのです。

時価総額型ETFの問題点

まずは、バンガードのVOOの組入れ銘柄上位10位を確認してみます。

  1. アップル:6.6%
  2. マイクロソフト:5.6%
  3. アマゾン:4.7%
  4. フェイスブック:2.2%
  5. アルファベット A:1.5%
  6. アルファベット C:1.5%
  7. バークシャー・ハサウェイ:1.5%
  8. ジョンソン&ジョンソン:1.4%
  9. プロクター&ギャンブル : 1.2%
  10. ビザ:1.2%

どれもアメリカを代表する素晴らしい企業であることに間違いはありません。しかし、組入れ上位銘柄にはいわゆるFANGのうち、F(Facebook)、A(アマゾン)、G(アルファベット)が含まれています。その他アップルを含め、ハイテクセクターが上位に占める割合が多い事が分かります。

投資における基本は安く買って高く売る。しかし、この理論で行くと、ハイテクセクターが上位に占める割合が多い(と言っても全体から見れば影響力は限定されますが)=割高感があり、常に高値掴みになりやすいと考える事が出来ます。言ってみれば、これが時価総額(市場平均)に投資することのデメリットであると言えます。

基本的にマーケットは効率的である。しかし、本質との間に稀にかい離が生じる時がある。それは投資家達の過大な期待や、不安によるもである。その非効率な部分=歪を見つけ出し、市場平均を上回るパフォーマンスを目指すのがアクティブ運用である。

これはあくまで理想の考えです。現実はそんなにも上手くはずもなく、だったら最初からインデックス投資に徹するのが賢明と言う選択肢が生まれるのです。しかも、割高と言えど、明らかなバブルとは言えません。確かにNY市場は長期間の上場相場が続き、多くの投資家が調整局面への突入を予感しています。しかし、その具体的な時期を正確に予測することは出来ませんし、最終的には右肩上がりで推移すると予想するのなら、目先の下げに惑わされず、コツコツと買い増しを行うという戦略でも良いのかもしれません。

スマートベータはアクティブ運用なのか?

ではスマートベータによる運用はアクティブとインデックスのどちらに分類されるのか。

アクティブ運用は、ファンドマネージャーの採用により、市場平均超えるパフォーマンスを目指す点にあります。その逆が、市場平均をベンチマークとしたインデックス投資です。

ちょっと整理してみます。

1.スマートベータ運用を解体してみると、ファクターを基準とした指数を設定する。そしてその指数をベンチマークとし、それに連動するように設計する=インデックス運用と言える。

2.ベンチマークを設定し、その大元の指数にも一定のルールが存在し、その手の内(具体的な銘柄構成)に透明性があるとは言え、時価総額以外のルールが介入する以上、それはアクティブ運用と言える。

スマートベータに具体的な定義はありません。つまり、これがアクティブなのかそうでないのかは、各個人により意見の分かれるところでありますが、私なりの意見を述べてみます。

スマートベータ=ファクターを基準とした指数を設定し、それをベンチマークとする=インデクッス投資

指数を構成する銘柄の入れ替えには一定のルールが存在=完全なアクティブ運用とは言えない

まとめると、スマートベータ指数をベンチマークとした運用はインデクッス投資に分類される。

多少のアクティブ要素も含まれるが、主はパッシブ運用である。

結論としては、あまり言葉の解釈にこだわる必要はないという事です。しかし、インデックス運用、アクティブ運用のそれぞれの特徴を有するのがスマートベータ運用と言っても間違いではなさそうです。


ロート

高配当ETFを中心に保有しています。 アメリカに長期投資をしながら、日本株でデイトレードやスイングもしてます。 主たる取引スタイルは時期や気分で変えています。一つの戦略に固執せず、色々な考えで相…

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