最終更新日:2020年09月23日

kay

「アメリカオンリー or 全世界分散投資」についての考察。

ETF 投資信託

リーマンショック後の米国株式市場のリターンは凄まじく、少なくとも過去10年を見れば米国市場への投資が正解だったと言えるでしょう。

今程、金融に興味を持っていなかった高校生時代の私にとって、リーマンショックそのものが自分とは無関係の世界線で起こっている出来事。その位の感覚でした。

大学を卒業し、就職。その後日本株での失敗もあった私は米国ETFに辿り着きました。当初はVOO、その後はVTと変わり現在に至ります。

VOOを売るつもりはありませんが、基本的なスタイルとして今後の買い増しはVTのみ。VTの買い増しのみで「VT:VOO=10:0」の比率に限りなく近づけていきます。

さて、インデックス投資家にも様々なタイプがいます。広義でのインデックス投資とは「インデックス(指数)」に連動する商品への投資。つまり、スマートベータ商品、セクターETF、高配当ETF、これらには目標となるベンチマークが存在するわけですから、インデックス投資と言えるでしょう。

狭義でのインデックス投資とは、これも人によって考え方は異なりますが、私の感覚では「時価総額加重平均型」を指していると言えます。この伝統的なインデックス商品からスマートベータ、セクター、モメンタム、バリュー、グロース等が派生していったのです



あくまで投資は自己責任、正解は無いと人は言いますが、「アメリカオンリー or 全世界分散投資」については絶対的な答えこそ存在しませんが、面白い議題ではありますので今回取り上げてみました。

まずは、米国オンリー派の意見を並べてみます。

  1. 米国はグローバルな企業の集まり。よって、米国に投資をするだけで世界に分散投資しているのと同じ。
  2. 世界の株式市場は連動している。アメリカが下がれば他の国もつられて下がる。よって世界に分散してもリスクを変える事は出来ない。
  3. 世界のどの国よりも株式市場の整備が進んでいる。
  4. 過去10年を見た時の圧倒的リターン。
  5. 株式会社=株主のものという考えが定着している。

続いて、世界分散派の意見を列挙してみます。

  1. アメリカが今後も同じように成長するとは限らない。
  2. 長期で見ればアメリカが不調な時もある。
  3. 長期投資前提であるなら、一つの国に絞るのは危険。
  4. ここ10年も実はハイテク企業が強いだけで、他にあっては突出したリターンでは無い。

パッと思い付くのはこんなところでしょうか。他にありましたら、コメント欄よりお願いします。

米国オンリー派の意見について見ていくと、1の「米国はグローバルな企業の集まり。よって、米国に投資をするだけで世界に分散投資しているのと同じ。」という意見には同意こそしますが、例えば、日経225採用企業の海外売上比率も「国内<海外」であり、決定的要因にはならないかなと思います。とは言っても競争力の面で圧倒的である事に間違いはありませんが。

2の前半部分の「世界の株式市場は連動している。アメリカが下がれば他の国もつられて下がる。」については概ね同意です。世界の株式市場の相関性は日々高まっており、アメリカが暴落したのに、日本だけ無事なんて事態が起こる確率は限りなく低いでしょう。

後半部分の「世界に分散してもリスクを変える事は出来ない。」はその通りではありますが、そもそも世界分散投資をする事=ポートフォリのボラティリティを低減させる事が目的ではありませんから、意味合いが若干違ってきます。本当の意味でリスクを分散させたいなら、ゴールドや債券などの株式と逆相関の値動きをするアセットを組入れる必要があるでしょう。

但し、相関関係(逆相関も然り)は不変では無い事に注意が必要です。株式市場の暴落時に債券も一緒に下がってしまうなんて事は普通に起こり得る事ですからね。

3の「世界のどの国よりも株式市場の整備が進んでいる。」については同意です。

4の「過去10年を見た時の圧倒的リターン。」についても同意です。但し、過去を無視する事は出来ませんが、それが未来をも保証したりはしないという点には注意が必要です。


VTと比較した場合、その差は一目瞭然ですね。

5の「株式会社=株主のものという考えが定着している。」については同意です。

続いて、世界分散派の意見を見て見ましょう。

1の「アメリカが今後も同じように成長するとは限らない。」には同意です。将来的に世界経済の中心はアジアになるとも言われていますし、中国やインドの存在を無視する事は出来ないでしょう。

例えば、現在のVTの国別割合は以下のようになっています。

GDPでは近い将来中国がアメリカを抜くとも言われていますが、浮動株調整後の時価総額加重平均ではしばらくアメリカの時代が続くでしょう。相対的に他の国の影響力が増してきたとしても、国際社会でアメリカはまだまだ強い立ち位置にいる事は間違いありません。

ちなみに、今後のGDPの推移については以下の動画が参考になります。

2の「長期で見ればアメリカが不調な時もある。」については同意です。ただ、国際化した現代において、アメリカの不調は少なからず、他の国にも飛び火するというのが私の考えです。

3の「長期投資前提であるなら、一つの国に絞るのは危険。」これは間違いではありませんが、より高いリターンを求めるのであれば、必ずしも正解とは言えないでしょう。但し、どこの国が高リターンを叩き出すのか当然ながら結果が出るまで分かりません。「どう転がるか分からないから、全部買う」これがインデックス投資の原点だとすれば、主張的には正しいと言えるでしょう。

4の「ここ10年も実はハイテク企業が強いだけで、他にあっては突出したリターンでは無い。」については私も色々と思う事があります。

例えば、NYSE(ニューヨーク証券取引所)総合指数というのがあります。

ここ数年でハイパフォーマンスだったハイテク銘柄はナスダック市場に上場していますから、NYSE総合指数には含まれていません。

NYSE総合指数と日経平均株価を比較してみましょう。

もちろん切り取る期間で変わっては来ますが、リーマンショック後を比べると以下のようになります。

赤ラインが日経平均株価で、ローソク足がNYSE総合指数です。こうしてみると、パフォーマンス的にはほぼ同じに見えます。ダウ平均やS&P500はナスダック市場の銘柄も含んでいますから、パフォーマンスはもっと良いですが、NYSE総合指数だけ見るとこのようになります。

もちろん、ハイテク株牽引の相場がいつまで続くかは分かりませんが、結果論的にはこうなります。


まとまりがなくなってしまいましたが、一旦ここらで私の中での結論をだしておきます。

そもそも、私が米国オンリーから全世界に切り替えた根底にあるのは「どこがどう転んで良い様に全部持っておく」です。私の年齢を考慮しても今後の投資期間は十分にあります。だからこそ、米国一強の高パフォーマンスを捨てたとしても、全世界という無難な投資先を選択したと言えます。

まとめると、

  1. 将来、相対的に他国の影響が強くなる可能性を否定は出来ない。
  2. だからと言って、アメリカの急激な衰退は考えづらい。
  3. 上記の2つを考慮しても、どこがどう転んでも自動対応できる時価総額加重の世界分散投資は魅力的。
  4. 私の場合、現時点での年齢を考慮すると投資期間がかなり長い(予定)。よって不確実な未来に備えたい。
  5. 本来の意味でのリスク分散がしたいなら、ゴールドや債券をポートフォリオに組み込む必要がある。

と言ったところでしょうか。後は各々がどう判断するかですね。

例えば、昨今ではナスダックが好調ですから、QQQへ投資をするという行為も十分に理解出来ます。

実は世界分散か米国オンリーかは著名な投資家でも意見が分かれるとこであり、有名な書籍でも著者によって意見が違ったりします。

私的にはアメリカの将来を信じるなら、アメリカオンリーで良いし、一国集中が何となく不安ならば全世界に投資をすれば良いと思います。

雑な文章になってしまったので、随時修正していきます。

是非皆様もこれについて思う事がありましたら、コメント欄よりお気軽にどうぞ!


kay

定期でVTを買い増してます。 米国株投資初期はVOOに投資をしていました。 VOOは売らずに、VTの買い増しのみで「VT:VOO=10:0」の比率に限りなく近づけていきます。

Comment

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4

GentleM:8/11 18:18

kayさん

早々の再コメント、ありがとうございました。

世界株式に分散するなら、GDP比で決めるよりも時価総額比による方が妥当性がある点も書きたかったのですが、抜けておりました。

「時価総額加重平均はいわゆる順張りの要素が強いのに対し、均等加重型は逆張り的な要素」は言われる通りですが、長期的にどちらが報われるかは予見できないですよね。

S&P500等の指数は銘柄入れ替えがありますが、時価総額の増減で入れ替えがある指数が多く、これも指数に採用される時点で順張り的な発想ですね。

一方、逆張り発想も富の源泉です。株式-株式間でも、株式-債券間でも、株式-金間でも、リバランスによるリスク管理と一部利確・逆張りができることは事実です。しかし、リターンはどのようなエクスポージャーが最大かは残念ながら予知できる方法はありません。だから、個々人にできることはリスク管理、手数料や税金削減くらいなのでしょうね。

順張り、逆張りどちらにしても、世界の株式市場が長期的には右肩上がりであることを前提にしつつも、歴史的な低金利・先進国低成長の時代ですから、株式の期待リターンや割引率が下がっています。そこで下手な売買を繰り返すだけでは個人個人のリターンを押し下げる一方かもしれません。

現ハイテク株ブームについても、私も少し保有していますが、個別銘柄やVGTやQQQを買ったはいいが「じゃあ、いつ売るの?出口戦略は?」については、皆さん、明確な答えがあるでしょうか?

結局、投資の最大の課題は、インデックス積み立て長期ホールドだろうが、配当株投資だろうが、テクニカルに生きることだろうが、自分が何に価値観を置いて、投資対象をどこまで考え、ぶれない投資方針を策定できるか、貫徹できるか、ということなのかもしれませんね。

私は、今年のコロナショックに乗じて個別銘柄整理・損出し、ETFへの乗り換えを進めてきており、通常の株式指数へのエクスポージャーを増しリスクを低減しようとしている最中です。

コロナショックで、投資は機関投資家との戦いでもあり、自分との戦いでもあることを再認識しました。

皆様のご武運を祈っています。


kay:8/10 07:44

GentleMさん。おはようございます。

非常に参考になる意見ありがとうございます。

コメント内容が濃いだけにこちらとしても嬉しいです。


「長期のデータに基づいた「教科書的」な投資のセオリーとしては、世界分散が正解ということで間違いないのだと思います。」

こちらについては私も同意見です。

現在の日本では、そのリターンの高さからアメリカ一国投資の人気がある様ですが、国際分散する事にはそれなりの意義があると常々考えております。

かつて大英帝国が栄華を誇っていた時代もありますし、長期になればなるほど未来を正確に予測する事は困難に思えます。

また、個別銘柄を見ても、現在、世界トップ企業であるAppleが20年前は倒産寸前であった事など、私自身も信じられませんでした。

結論的には、 GentleMさんの言う世界中の株式にインデックス分散するのが最も理論的に正しい行動になるのだろうと思います。」に繋がってくるかと思います。

ただ一つ、Seeking Alpha等で、世界分散でも時価総額過重とすべきでなく割合固定すべきだという議論を見たことがありますが、これは好み・スタンスの問題と思います。」

これについては色々興味深い議論が出来そうですね。例えば、これはちょっと話が違っては来ますが、S&P500にも、一般的な時価総額加重平均型と均等加重型が存在します。

例えばこれらを2003年より比較してみると、以下の様になりました。


赤いラインが時価総額加重型です。もちろんこの手の比較は切り取る期間でいくらでも違ってきますので、一概には言えませんが、議題としては面白いのかなと思います。

均等加重型であれば、一部のセクターや一国のバブルの影響を受けづらいと言うメリットはあるのかなとも思います。

但し、時価総額加重平均はいわゆる順張りの要素が強いのに対し、均等加重型は逆張り的な要素を含んでおり、これについては意見が分かれそうな予感はします。

絶対的な優劣はつけ難いですが、現在の私の意見としては、「市場に全てを委ねたい」と言う考えが強い分、時価総額加重平均への投資を続けていくでしょう。


GentleMさんのポートフォリオ拝見致しました。確かに現状、持ち株はそのままでVXUSにて国際分散に切り替えていくと言うのは非常に効率的な気がします。

ただ、その場合、米国:米国以外の比率をどの様に決定し、調整していくのかが気になります。

私も一時はVXUSも検討しましたが、結局の所比率自体を時価総額加重を目安にするのであれば、VT一本の買い増しが一番シンプルなのかなとも思い現在に至ります。


GentleM:8/10 06:41

加重、と書くべきところが、過重になっていました。読み換えをお願いいたします。


GentleM:8/10 06:35

一番乗りの投稿、おめでとうございます。Seeking Alphaヘビーユーザーです。

Kayさんのまとめられた観点に特に大きな追加はありませんが、私の意見を少し書かせていただきます。

私のポートフォリオも、今のところほぼ米国集中型ですが、Kayさんと同様に将来的には世界分散派を目指しています。

バンガードの発散しているメッセージによると、米国集中よりも世界株への分散投資がリターンをほとんど変えずにリスクを減らせる、というコメントがあったことを記憶しています。著明なジェレミー・シーゲルやチャールズ・エリスの著書においても、米国集中ではなく世界分散が解かれています。長期のデータに基づいた「教科書的」な投資のセオリーとしては、世界分散が正解ということで間違いないのだと思います。

米国の大企業が世界中で生産、あるいは輸入の結果売り上げがある場合、例えばP&G (PG) は世界各国のGDPの底上げに貢献していますが、時価総額の観点からは、米国に上場しているため米国の時価総額に貢献しています。

また、例えばMedtronic (MDT) は、本社はアイルランドに移転してしまいましたが、MDTとして米国に上場していますので、米国株に分類され、米国の時価総額に貢献しているものと思います。アイルランドのGDPにも貢献しているものと思いますが、移転した時点では各国のGDPへの貢献割合はあまり変わっていないと思います。

様々な事案を鑑みると曖昧になってくると思いますが、米国株オンリーであっても世界分散になっているという指摘には、市場のグローバリゼーションと国別時価総額の不均一という観点では一理あると思います。しかし、総論的には屁理屈です。PGや米国ETFであるVDCだけを保有するよりも世界的に時価総額の大きいネスレ (スイス) やユニリーバ (オランダ/英国) にも分散できる方がリスクは下がるのは当然で、これを全ての業種に当てはめて考えてゆくと、世界中の株式にインデックス分散するのが最も理論的に正しい行動になるのだろうと思います。

世界分散をしてもリターンが向上するかどうかは神のみぞ知る、ではありますが、超長期の過去のデータとしてはリスクが下がるのが事実です。

Seeking Alpha等で、世界分散でも時価総額過重とすべきでなく割合固定すべきだという議論を見たことがありますが、これは好み・スタンスの問題と思います。

山崎元氏が日本株の割合を高めに推奨していますが、これもホームカントリーバイアスの一種で説得力が足りず、リスクが過剰と思います。山崎氏の主張でも日本の比率を固定しています。

どの国の時価総額が今後最も伸びるかは神のみぞ知る、ですから、機動的に国別の保有割合を変更されてしまうようなファンドや割合固定よりは、VTのような時価総額過重で保有し、国間ではリバランスしないのが良いのかなと愚考しています。

この点、私は米国にプラスする案として新興国のみ、欧州株のみ、日本外しなどの戦略を散々考えてきましたが、ようやく回り回ってVTが良いのでは、と回帰してきました。

とは言っても、まだ行動が伴っていません。私は米国にオーバーウェイトし過ぎてVTを買い付けていくだけでは分散が得られるのに時間がかかりすぎますし、既存のポートフォリオを鑑みると必ず配当株オーバーウェイトの傷が残ります(笑)。米国の方がまだ好調な間に当面VXUSを買っていってやや調整する方向を模索しています。

米国と米国以外のトレンド差も波がありますし、 KayさんもVXUS等で調整するのはいかがでしょうか?


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